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鳥海山国際禅堂

禅堂開創にあたって

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​鳥海山国際禅堂

峰の色

谷の響き

風のそよぎ

鳥のさえずり

澄んだ星空

ブッダが見、聴き、感じた

全てがここに在る

ブッダの慈悲に包まれ

​凛として ただ 坐る

 聳(そび)え立つ頂きが高いほど、その渓谷は深く穿(うが)たれています。日本文化という山脈を縫う渓流の源(みなもと)を求めて辿るとき、私たちは「禅門」というあるひとつの淵源に至ることを知ります。

 中世は鎌倉以来、祖師たちによって大陸から伝えられたこの禅風(ぜんぷう)は、長い年月をかけ、わが国の風土で醸成されました。やがてそれは、この国独自の精神支柱となり、文学(詩文、俳諧(はいかい)等)、芸術(能楽(のうがく)、絵画等)、諸芸道(茶の湯、書道、礼法等)、武道(剣道、弓道等)における気風の背骨となりました。また新渡戸稲造(にとべいなぞう)氏の指摘を待つまでもなく、それは武士道における心ばえの「よすが」ともなりました。今もなお、その精神の気高さと哲理の深遠さに魅せられて来日する欧米人が後を絶ちません。

 かつて極東の島国で咲き、実を結んだこの極めてローカルな精神文化の華は、今や人間の実存(じつぞん)(まことのあり方)というグローバルな問いかけに対し、普遍的な香気を放っています。敗戦後すでに60余年、わが国は廃墟、復興、成長、繁栄、安定の各期を経て目下大きな変革期に遭遇しています。こうした変遷とともに経済の繁栄、物質生活の向上がもたらした文明社会は民族、宗教の諸問題を巻き込み、地球時代は混迷の度を深めています。

顧(かえり)みて、永平高祖(道元禅師(どうげんぜんじ))ご在世(ざいせ)もまた北条氏ほか諸豪族の熾烈(しれつ)な政争や承久(じょうきゅう)の乱に加え、京都、鎌倉は幾多の天変地災に見舞われ興亡動乱のさなかにありました。その中にあって永平高祖のご垂示(すいじ)は、「正身端坐(しょうしんたんざ)」(身を正して坐る)と「清規履践(しんぎりせん)」(正しい生活の実践)という獅子吼(ししく)でありました。

 よく生きること(生きがい)の第一義は日常底の起居動作、ひいては「いま、ここ」の出入(しゅつにゅう)の一息(いっそく)に尽きます。

 日ごろの衣食住の中に禅門の「こころ」がいささかでも生かされ、この禅堂がささやかでも時代の闇夜を照らす灯明となることができれば、望外の慶幸であります。

平成18年7月開堂  堂長 佐藤成孝(さとうじょうこう)

建立の目的

人類は近代、科学文明の急速な発展により革命的な変貌を遂げました。そして私たち現代人は、テクノロジーの多大な恩恵により、便利、快適かつ豊かな生活を享受しています。

 反面、生きがいが失われ、虚しさ、疎外感、生への不安が増大し、現代社会は人間性喪失の時代に突入しました。

 いま私たちは、人間の実存(じつぞん)(まことのあり方)とその原点に立ち帰り、「本来の自己」に目覚め、真の豊かな人間精神を取りもどしたいものです。

 ここに古来2千5百年間、釈尊より正しく伝えられてきた坐禅とその実践(正しき目覚めの生活)に参ずる道があります。ともに手をたずさえ、互いに価値ある貴(とうと)い、真実の人生を歩まれる事を切に念願するものであります。

 古参、初心の別なく、宗派、宗教、主義、民族、人種、言語を超えた人類万人の道場です。

禅堂の伽藍(がらん)

脚下に清流子吉川の渓声をかすかに聴き、南方は雲海はるかに奥羽(おうう)第一峯、鳥海山の雄姿を仰ぐ静寂境(じゃくじょうきょう)に、当禅堂はあります。

 当道場は堂長の発願(ほつがん)のもと、5年間の全国勧進(かんじん)托鉢(たくはつ)、および国内外の賛同一般有志の浄財により平成18年夏に創建されました。

 禅堂は渡り廊下を隔て僧堂(坐禅堂)と庫院(くいん)の二つにわかれます。

僧堂は雲堂とも称し、修行の根本である坐禅道場です。また食事、睡眠の道場でもあります。

 永平大清規(だいしんぎ)(道元禅師(どうげんぜんじ)著)に準拠して設計。間口8間半、奥行7間半。

 内堂と外堂があり、内堂中央に聖(しょう)僧(そう)様(等身大の文殊菩薩像)を安置。その左右前後に16単(1単はタタミ1畳分)の坐禅席が設けられています。外堂は左右に半畳単が計8席。渡り廊下を隔てた庫院(くいん)は、間口7間、奥行5間。台所、浴室完備。

​堂長プロフィール

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1953年 高建寺にて出生

大学卒業後、大本山永平寺にて修行

1980年 高建寺に帰山、副住職として父である住職を補佐

1994年 高建寺住職に就任

2001年 禅堂建立のため、5年間全国勧進托鉢にて浄財を募る

2006年 鳥海山国際禅堂を開創

以来、国内および欧米・アジア各国の参禅者を受け入れ指導

活動内容

☆青年僧の自己研鑽 定期接心(数日間の集中坐禅)と祖録の提唱(レクチャー)

☆外国人参禅    禅仏教の国際的宣揚、諸外国禅センターとの交流促進

☆一般参禅     スポ少、部活動、青少年、職場研修、各種カルチャークラブ等の研修

☆夏季野外フェスティバル

参禅案内

☆定例参禅 毎週水曜日 午後5時~6時 他日は要相談

☆宿泊参禅(7千円食事代込み)午後3時~翌日11時

※最大5日間 宿泊可能期間:6月~9月

☆一般参禅期間4月~11月末 ・休単(雪のため参禅休期)12月1日~3月末

※8月7日~18日 お盆休期

団体、個人随時受付。参禅希望の方はメールまたは電話でお願い致します。

参禅費は心づけとなります。

禅堂に関するお問い合わせ

禅堂全貌

鳥海山国際禅堂 堂長 佐藤成孝(さとうじょうこう)迄

事務局:曹洞宗 高建寺(禅堂より北西へ6キロ)

〒015-0414 秋田県由利本荘市矢島町立石

TEL:0184-56-2193 EMAIL: jokosatojp@yahoo.co.jp

米国アイオワ州から

​夕暮れの野外坐禅

南米布教総監森山師と(右下)

講師を迎えて勉強会

バルセロナから一泊参禅

地元ALTの参禅会

内堂

外堂から望む鳥海山

僧堂文殊菩薩

僧堂廊下

僧堂鐘と太鼓

単(坐禅と睡眠の場所)

朝食(玄米粥)

外堂

​東大医学部名誉教授大井玄先生参禅(前列中央)

定例坐禅会

内堂

​夕暮れ坐禅

早春の早朝坐禅

国道108号から望む禅堂

禅堂参道入口

参道の上り坂

禅堂間近

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